スタッフコーヘイが巻く、私的クラシカルフライ「ロスト&ファウンド」。直訳すると「失くす、見つける」ですが、海外では遺失物取扱所つまり忘れ物センターを意味する言葉です。フライ史に残る偉人達が考案した名作毛鉤を掘り起こし、時に忠実に、時に遊び心を加えて、お届けします。
Gray Fox Variant サイズ#12
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長年にわたり地元キャッツキル地方の水生昆虫を採取研究し、それまで膨大だったフライ・イミテーションとしての必要な虫の種類を最小限まで選定、それらを誰にでも分かりやすくまとめた名著「stream side guide 1947」の筆者にして名フライタイヤー「アートフリック氏」。誰よりもキャッツキルの水生昆虫を知る男が、晩年これしか投げなかったとされるほど信頼していたフライであり、氏に世界的名声を与えた傑作がこの「グレイフォックスヴァリアント」です。3色混合マルチカラーの色彩論、シンプルにしてリアル、耐久性にも優れるストークボディ、オーバーサイズに巻かれたハックルによってテールとの三点支持で水面高く浮く姿はキャッツキルフライの集大成と言えるかもしれません。ゲーリーラフォンテーン氏の著書「ザ・ドライフライ-ニューアングル」中の記載には「あたかも本物の虫と同じように水から生まれたような雰囲気があり、鱒もそれが気に入ってると思う」というフリック氏の言葉が綴られています。